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IRトピックス / 財務ハイライト
IRトピックス
業績レビュー・今後の取組みについて
2023年11月10日に2023年9月の決算発表を行いました。
以下に、その内容と今後の取り組みについてご報告いたします。
第21期 (2023年9月期)決算発表について
当連結会計年度におけるわが国経済は、10月に発表された日銀短観における大企業の業況判断DI(最近)によると、非製造業では6四半期連続の改善となっており、1991年11月調査以来の高水準となっており、新型コロナウイルス禍での経済活動に対する制約が徐々に解消される中において、観光需要の回復やインバウンド需要が増加したことにより、特に宿泊・飲食サービスや小売の業況感が改善しております。一方、先行きに関しましては、物価上昇による需要の減少やコストの増加、人手不足の深刻化等への懸念から、非製造業全体では慎重な見方になっています。
このような状況下のもと、当社グループにおきましては業績回復に向けて、各セグメントそれぞれの営業スタイル特性に合わせた施策を積極的に推進しており、2023年1月13日に「株式会社iiyの株式取得及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、独自の市場リサーチ手法を活かした自社オリジナル商品の開発・販売を行っております株式会社iiyが当社グループの傘下となり、同日をもって当社グループの連結会計に組み込まれております。
以上の結果、通販事業は株式会社iiyの関連子会社化によりセグメントに組み込まれたこともあり、売上高については前連結会計年度を上回る結果となり、安定的な黒字化が実現できました。卸売事業につきましても中華人民共和国からのインバウンド需要が予測より下回ったため、前連結会計年度に対し売上高は若干下回りましたが、営業利益につきましては大きく改善することができ黒字化が実現できております。さらに、新しい取り組みとして、販路拡大による売上向上とリピーター獲得を目的とし、ふるさと納税返礼品として当社商品を出品する事業に参入し、現在、奈良県大和郡山市、佐賀県鳥栖市、石川県金沢市、福岡県遠賀郡芦屋町の4自治体で展開しております。しかしながら、客数増加を目的に雑貨商品等をベースとした店舗コンセプトとしたため、原価率が悪化してしまったリテール事業やM&Aのアドバイザリー費用や臨時株主総会開催による想定外の費用計上等の影響もあり、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,136,884千円(前年同期比8.1%減)となり、営業損失214,214千円(前年同期は営業損失119,080千円)、経常損失216,931千円(前年同期は経常損失116,993千円)、親会社株主に帰属する当期純損失272,624千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失156,527千円)となりました。
なお、セグメントにつきましては、2022年11月11日に「事業セグメント変更に関するお知らせ」にて公表させていただいたとおり、前連結会計年度までのブランド毎のセグメントから販売スタイル別のセグメントとして「通販事業」「卸売事業」「リテール事業」「衛生コンサルティング事業」へ変更し、上場維持費等を含むどのセグメントにも配賦不可能な管理コストにつきましては調整欄にて反映しております。したがって、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結累計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
各セグメントに共通する商品開発部門を含めた管理部門としましては、コンセプトにマッチした商品開発のスピード化や原価の低いOEM商品の開発、当社グループの文化となっているコスト削減プロジェクトを推進しております。
また、この度2023年1月1日付で株式会社フォーシーズHDは、株式会社Cureを吸収合併いたしました。今後は各ブランドのシナジー効果をさらに図り、新たな施策展開にも取組んでまいります。さらに、今後も当社グループの企業価値をさらに高めるため、既存事業の黒字化を実現するための施策の推進と同時に、新規事業に向けたM&Aを積極的に進めてまいります。
■通販事業
売上高889,685千円(前年同期比12.6%増)、セグメント利益は204,574千円(前年同期比6.7%減)となりました。
通販事業の今期の施策としては、電話オペレーター販売においては、定期顧客の解約阻止率の改善、休眠顧客の引き上げ率の向上、オペレータースキルを活かした架電代行業務の新規発足、EC販売においては、広告とインフルエンサーへのサンプリングによる新規獲得による収益拡大を目指しておりました。電話オペレーター販売につきましては、Webプロモーションによる新規獲得はコスト効率の観点から投資を抑えたため、既存顧客の掘り起こしと定期顧客の解約の阻止を最優先としており、さらに当社の電話オペレーターの強力な営業力を最大限に活用するために、2022年12月より架電代行業務をスタートいたしました。EC販売については、既存ブランドにおいて、まずはブランド認知向上とリテール事業との顧客リストの共有化や施策の連携を図っておりますが、新しい施策が売上に反映できるまでには当初計画よりも時間がかかっております。しかしながら、EC販売において実績のある株式会社iiyが当社グループに加わったことにより、通販事業全体としては、売上高においては前年同期よりも上回る結果となりましたが、営業利益についてはWebへの投資を高めたことにより前年対比より減少とはなりましたが、安定的な黒字化体制を確立することができました。
■卸売事業
売上高456,968千円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益150,449千円(前年同期比56.8%増)となりました。
卸売事業の今期の施策としては、既存商品の育成と新規商品の開発により取扱いアイテムを拡大することと海外への販路拡大を目指しておりました。すでに実績のあるCureブランドについては、国内卸売事業では、引き続き人気ユーチューバーによるプロモーション活動の効果もあり、新たに大手ドラッグストアチェーン店への導入も開始することができました。しかしながら、新型コロナウイルス禍での経済活動に対する制約が徐々に解消される中において、インバウンド顧客の回復を見込んでおりましたが、中華人民共和国からのインバウンド顧客がALPS処理水等の問題もあり、予測よりも大きく下回る結果となり、売上高においては予測を下回る結果となりました。海外卸売事業においては、2022年6月28日に公表させていただいた「子会社に対する仮処分命令申立てに関する和解成立のお知らせ」のとおり、主力商品である「ナチュラルアクアジェル」を中華人民共和国、中華人民共和国香港特別行政区及びアメリカ合衆国において2023年7月31日までの期間において、製造及び販売を行わないこととなっておりましたが、8月1日より本条件が解除となりましたため販売を再開しておりますが、現在は、更に東南アジアを中心としたアジア市場への拡大が進んでおります。一方、通販事業で実績のある「FAVORINA」と「FINE VISUAL」ブランド、リテール事業で展開しております「AromaBloom」ブランドにつきましては、卸売事業に参入したばかりですので、現在は、国内卸売事業・海外卸売事業とも、認知拡大を目的としたプロモーション活動を継続しております。また、新たな取り組みとしては、SDGs経営の一環として、「コスメロスや廃棄ロスをなくそう!」をテーマにシェア買いアプリ「カウシェ」や株式会社ネットプライスが運営している「Otameshi」や各自治体の「ふるさと納税」事業へ参画しております。以上の結果、売上高は前年同期よりも若干下回りましたが、セグメント利益につきましては、仮処分命令申立てに関する和解が成立し、弁護士費用等がなくなったことにより、前年同期よりも大幅に上回る結果となりました。
■リテール事業
売上高735,279千円(前年同期比26.3%減)、セグメント損失75,845千円(前年同期はセグメント損失21,724千円)となりました。
今期の施策としては、店舗のスクラップ&ビルドによる運営の効率化と、新コンセプト店舗のテストマーケティングによる新たな顧客層の拡大を目指しておりました。現在は首都圏に20店舗(2023年9月30日時点)を運営しておりますが、「お悩み解決型アロマ専門店」という新しいコンセプトのもと、2022年3月には新百合ヶ丘、11月には海老名に2店舗出店いたしました。また、原価率を改善するためにOEM商品を開発し、OEM商品を中心とした販売強化を推進しております。さらに、子育てに役立つ香り12種を発表し親子で学ぶ「香育ワークショップ」やお好みの精油でアロマ雑貨を手作りする「ワークショップ」の開催や、“春の睡眠の日”に合わせて「おやすみ~リセットから始まる『眠活』~」キャンペーンなど、店舗でのイベントも積極的に進めており、客単価につきましては改善されております。しかしながら、新型コロナウイルス禍による消費者のライフスタイルの変化によりリテール店舗への消費者の戻りは未だ鈍く、その対策として従前の雑貨商品等を中心の販売をベースとした店舗コンセプトに戻した結果、原価率が大幅に悪化し、さらに収益性の低い店舗をスクラップしたことにより、前年同期より売上高及びセグメント利益とも予想を大幅に下回っており、引き続き赤字となっております。
■衛生コンサルティング事業
売上高56,479千円(前年同期比13.0%減)、セグメント損失26,668千円(前年同期はセグメント損失37,022千円)となりました。
今期の施策としては、食品業界に浸透しつつある食品衛生法上のHACCP管理への指導、JFSM(食品安全マネジメント協会)規格の認証コンサルタントに注力しております。飲食店業界においては顧客によって明暗が分かれているのが実情で、HACCPの国内における浸透も進んでおらず、前年同期より売上高は若干下回り、セグメント損失は改善されましたが、引き続き赤字となっております。今後は、業容拡大となっている顧客の工場新設案件や、増設案件などに上記コンサルタントを提案することで、さらなる受注を拡大してまいります。また、2022年12月6日に公表しました「IT導入支援事業者に採択」以降も「IT導入支援事業者」として採択され、既にHACCP管理ソフト「HACCP DO」を補助金対象としてサービス提供が可能な体制を取っており、こちらも実績を積んでおります。
今後の取り組みについて
今後の見通しにつきましては、2023年9月期における我が国の景気は、10月に発表された日銀短観における大企業の業況判断DI(最近)によると、非製造業では6四半期連続の改善となっており、1991年11月調査以来の高水準となっており、新型コロナウイルス禍での経済活動に対する制約が徐々に解消される中において、観光需要の回復やインバウンド需要が増加したことにより、特に宿泊・飲食サービスや小売の業況感が改善しております。一方、先行きに関しましては、物価上昇による需要の減少やコストの増加、人手不足の深刻化等への懸念から、非製造業全体では慎重な見方になっています。
通販事業におきましては、安定的に黒字化が実現できる体質になってきておりますが、電話オペレーターによる既存顧客の掘り起こしによる顧客ストックの積み上げと効果的な販売促進費を活用することによる新規顧客の獲得をめざし、EC販売におきましては、自社オンラインショップサイト改修やモール販売強化、SNSの活用や広告配信などによりブランドの認知度向上をすることにより売上拡大を図り、引き続き黒字化を実現してまいります。
卸売事業におきましても、安定的に黒字化が実現できる体質になってきておりますが、海外展開の強化のための資金として、行使価額修正条項付第16回新株予約権の行使により50百万円相当の資金調達を充当することにより、海外市場への販路拡大を目指し、各自治体の「ふるさと納税」事業へ参画など、新たな市場へ積極的に参入することにより売上拡大を図り、引き続き黒字化を実現してまいります。
リテール事業におきましては、新規顧客獲得強化による新たな顧客層の獲得とリピート率を高めることによる客数の向上、原価率と人件費率を改善することにより、早期に赤字体質から脱却を図ります。
衛生コンサルティング事業におきましては、引き続き、食品業界に浸透しつつある食品衛生法上のHACCP管理への指導、JFSM(食品安全マネジメント協会)規格の認証コンサルに注力すると同時に、感染症対策として販売を行っている空間除菌デバイスDevirusACを、同じく感染症対策に悩む畜産業界に転用する施策の推進することにより売上拡大を図り、赤字体質からの脱却を図ります。
また、上記の業績予想は本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づいて作成したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。
2023年11月
財務ハイライト
業績の推移
売上高

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
2,248 | 1,958 | 1,967 | 2,469 | 2,324 | 2,136 |
(単位:百万円)
営業利益/売上高比率

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
営業利益 | 37 | △231 | △397 | △148 | △119 | △214 |
売上高比率 | 1.7 | △11.8 | △20.2 | △6.0 | △5.1 | △10.0 |
(単位:百万円/%)
経常利益/売上高比率

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
経常利益 | 25 | △226 | △405 | △150 | △116 | △216 |
売上高比率 | 1.1 | △11.6 | △20.6 | △6.1 | △5.0 | △10.1 |
(単位:百万円/%)
親会社株主に帰属する当期純利益/売上高比率

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
親会社株主に帰属する 当期純利益 | △45 | △367 | △464 | △178 | △156 | △272 |
売上高比率 | △2.0 | △18.8 | △23.6 | △7.2 | △6.7 | △12.7 |
(単位:百万円/%)
財政状態の推移
総資産

(単位:百万円)
第16期 | 第17期 | 第18期 |
---|---|---|
3,113 | 2,580 | 2,026 |
第19期 | 第20期 | 第21期 |
1,821 | 1,454 | 1643 |
純資産

(単位:百万円)
第16期 | 第17期 | 第18期 |
---|---|---|
1,434 | 1,037 | 673 |
第19期 | 第20期 | 第21期 |
595 | 454 | 518 |
自己資本/総資産比率

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
自己資本 | 1,428 | 1,031 | 663 | 586 | 448 | 515 |
総資産比率 | 45.9 | 40.0 | 32.7 | 32.2 | 30.8 | 31.3 |
(単位:百万円/%)
キャッシュ・フローの推移
営業活動によるCF

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
93 | △186 | △233 | △106 | △41 | △324 |
(単位:百万円)
投資活動によるCF

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
166 | △124 | 44 | △8 | △4 | △102 |
(単位:百万円)
フリーCF ※1

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
260 | △311 | △188 | △114 | △45 | △426 |
(単位:百万円)
財務活動によるCF

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
△156 | △177 | △99 | △84 | △124 | 317 |
(単位:百万円)
現金等同等物期末残高

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
1,690 | 1,201 | 969 | 770 | 599 | 489 |
(単位:百万円)
1株当たり情報
1株当たり純利益

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
△6.67 | △54.08 | △68.02 | △24.94 | △21.76 | △35.29 |
(単位:円)
1株当たり純資産

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
208.04 | 152.15 | 94.99 | 81.60 | 62.05 | 63.88 |
(単位:円)
PBR ※2

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
2.8 | 3.2 | 4.8 | 5.6 | 7.1 | 7.7 |
(単位:倍)
その他
発行済株式総数 ※3

(単位:株)
第16期 | 第17期 | 第18期 |
---|---|---|
6,973,470 | 6,973,470 | 7,175,570 |
第19期 | 第20期 | 第21期 |
7,377,670 | 7,419,970 | 8,077,670 |
従業員数 ※4

第16期 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
---|---|---|---|---|---|
103 | 99 | 95 | 144 | 120 | 104 |
(単位:人)
※1 「フリーCF=営業活動によるCF+投資活動によるCF」にて算出しております。
※2 各年度末時点の株式時価にて算出しております。
※3 各年度末時点の発行済株式数(自己株式を含む)を掲載しております。
※4 臨時雇用者数は含めておりません。